ブログ「ヒデヲの間」
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「えん。~Live document of clammbon」 オオニシヒデヲのザ・レビュー その9
2013年05月15日

(今回、真面目になっちったな)

クラムボンなるバンドが、リハーサルを重ねよみうりランドEAST野外ステージ2DAYSのライブを行うまでを追ったライブドキュメンタリー。
DVD発売に向けて1週間だけ映画館で上映するとのことで、急いで見てきた。

音楽映画に関して特にだが、大画面大音量で観るにこしたことはない。
DVDより映画館で観た方が、集中度も興奮度も俄然高くなるね。

さて。
この映画だが。
2DAYSのライブというのが完全に内容の違うもので。
1日目が、ゲストにストリングスを入れての完全アコースティックライブ。
2日目は、いつもどおりの3人編成のクラムボン。
一回きりの試みであるこのライブを最高に面白いものにするため、メンバー同士あの手この手とアイデアを出し合いリハーサルを重ねていく訳。
普通、バンドはこういうリハーサルのシーンを外には見せたくないものだったりするが。
とても赤裸々に、そして大らかに、発想とイメージをとても大切にしながら音を完成させていく瞬間を目の当たりにできる。

私自身、音楽をやる時に自分の中での一番大切にしてものがある。
「面白いかどうか」である。
果たしてこのアイデアは面白いのか。
もっと面白いものがあるのではなかろうか。
人を面白がらせることができるだろうか。
別に「笑い」という意味ではなくて。
脳を刺激する「面白さ」を追及していきたいのだ。

クラムボンはそんな「面白い」事に対して、チャレンジをし続けている。
私は、彼らの音楽性とか歌詞の内容とかというより、「面白いことを追及し続けてるバンド」であることにシンパシーを感じてるのだと思う。
だから、クラムボンから沢山の勇気を貰うんだろうな。

実はさ、面白い事をやるのは、意外と簡単なんだ。
でもさ、面白い事を続けるのは、凄く凄く大変。

自分に降りてきた微かなアイデアの焦点を徐々に絞っていき、本質の音までたどり着くのは実際とても大変。
面白いって思ったことが、自分の実力以上の場合だってあるわけで。
その時は、その実力を獲得すべく訓練せねばならぬ。
お客さんの前で音を出すたった一瞬の為に、地道で長く辛い時間を耐え忍ばねばならぬのだ。

しかし、その思いが強ければ強いほど、実際に音に宿る魂はデカい。
音と音が幾重にも重なり、大きなうねりとなる。

クラムボンは、このライブの中でそれをやってのけた。
イメージで絵を描いたようなアコースティックセットは、何故かエレクトロニカのような陶酔するサウンドになっていた。
3人セットで初披露した新曲は、まさに新しいものが生まれる瞬間に立ち会ったような感動があった。

面白追求グループであるクラムボンは、さらに面白進化をしてくであろう。

映画「えん。~Live document of clammbon」
点数:不明(自分にとっては100点)
勘所:ミュージシャン必見
教訓:面白いことをなめるな

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