ブログ「ヒデヲの間」
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ライブ観戦記
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2014年07月15日

ビルボード東京に、meshell ndegeocelloのライブを観てきたよ。

女性シンガーソングライターであり、ベーシストであるミシェル・ンデゲオチェロ。
今回は、ギター、ドラム、キーボードとミシェルの超シンプルな4人編成での来日だったが。
これが圧巻のライブであったよ。

一曲目。
ギターのグルーヴでゆったりと始まるライブ。
そこに、ミシェルがなんとも優しく歌いだす。
その時点で、何故か泣きそうになった。
ひっそりとした歌声の奥に、熱い塊をひしひしと感じる。
優しさの中にひそむ凄み。
魂の奥底にある強さ。
なのに、出てくる声は淫靡なくらい優しい。

ドラム+キーボートが加わり、曲の全貌があきらかになってきたところで。
満をじして、ミシェルがベースを弾きだすんだが。
これが、兎に角スゴイ。
グルーヴって言葉すら生やさしい。
グルーヴを通りこし、ミュージック、心、生き様。
なんか、壮大でピュアな音がぎゅーっとつまってる、ベースなんてもんじゃないベース。

その後も優雅に優しくピュアに、でも、芯はギトギトと熱いライブは続き。
4人という人数にも関わらず、その世界観は壮大で。
無駄な音の全くないピリピリな緊張感の中にも、つい身を預けたくなる心地よいグルーヴ。
まるで彫刻のようなサウンドが会場に満ちてたよ。
点と点がつながって線になり。
線と線がつながって立体になっていく。
造形を操る、音の彫刻だ。

ミシェル・ンデゲオチェロ。
なんて、素晴らしい世界を作るんだろうか。
R&Bでも、ロックでも、ファンクでもない。
完全にオリジナルな、言うなればミシェルミュージック。
こんな世界持ってて、尚且つやり続けてる人って中々いないよ。
柔らかく優しいサウンドだが、心はパンクの如く激情。
とてつもなく強く、そして熱い。

さらに、今回のミシェルバンドの素晴らしさ!
実にバンドなライブを聞いたよ。
それぞれのやってる事は凄くシンプル。
しかし合わさると、とんでもない絵が見える。
この絶妙なバランス感覚。。。
そのアンサンブルは、まさにバンドだった。

こういうバンドらしいバンドのサウンド聞くと、根っからのバンドマンの血が騒ぐ。
バンドやりたくなってくるぜ、おい。

アンコール曲の最後の最後まで、まったく息つく暇さえなく終わったステージ。
ベース、ドラム、ギター、キーボードの音が絶妙に絡み合う陶酔するようなサウンド。
この感覚は、ちょっと忘れることができないな。
音がまだ体にまとわりついてるよ。

圧巻のミシェル・ンデゲオチェロ。
いやはや、まいった!

女性ミュージシャンで、ひときわ小さいンデゲオチェロ。だが、サウンドはとてつもなく壮大。

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2014年06月15日

昨日は、「DUM-DUM PARTY2014」なる音楽フェス的なものに行ってきたよ。
私がこよなく愛してるバンド「DEERHOOF」が来日するってのを見とどけるべく。

渋谷O-WEST、NEST、7th FLOORを行き来できるイベントなんだが。
移動は全て階段…。
2階っつっても、結構高いO-WEST。
6階のNEST、その名の通り7階の7th FLOOR。
…をてくてくと登る。

しかも、移動の際。
何故か一旦地上に降りて、それからもう一度階段を登らなきゃいけないという、非常に足にくるシステム。
キツくて、ほとんどO-WESTにいたワタス。

さて。

何故か、ディアフーフが18時前にもう出演とのことで。
会場着くやいなや、私的メインイベント・ディアフーフを目撃さ。

 

〇ディアフーフ
圧巻にカッコ良かった!大興奮!
もう、サウンド作りも、コード感も、拍子も、リズムも、まぁとにかくエグいエグい!

なんともギリギリなアヴァンギャルドな音をガンガン出してるバンドなのに、
何故かハッピーでポップな印象を与えてしまうのが不思議だ。
「ギリギリ」と「ポップ」を操るこのバランス感覚、素晴らしすぎるね!

ラスト曲で、観客にコール&レスポンスをさせるんだが。
曲の拍子が難しすぎて、レスポンスしたくても全然ついていけない。
だのに、みんな笑顔。

いやはや、とんでもなくいいバンドだった。
パワーを沢山もらった!ニヤニヤしながら感動してしまった。

ベースボーカルが日本人なのにさ、何故かなかなか日本で単独公演をしてくれないんだよな。
そろそろ、ロングセットを見たいねぇ…。

・・・
せっかくなんで、その後見たバンドも一言レビュー。

 

〇カフカ鼾
エモ、エレクトロ系バンド。
ステキにドープなサウンドだった。
夜中に聞きたい。
山本達久のドラムを大きめの会場で味わったの初めてかも。
素晴らしいダイナミックス。
今回のイベントが、結構尖がったバンドが多かったせいか、
このどっぷりいくライブが結構ストレートに聞こえたのが不思議。

ところで、このバンド名、なんて読むの??
カフカ何? はな?

〇進行方向別通行区分
まったく何の予備知識もない、謎すぎるバンド。
一曲目で、ちょっとツボに入り見続ける。
だが。
上手いんだが下手なんだか、よく分からん。
センスがいいんだか、悪いんだか。
狙ってるのか、マジなのか。
もしかしたら、結構いいバンドなのかも?とも思わせるが、やっぱりダメそうな気もする。

最後まで掴めぬバンドだったが、妙に印象に残る。

〇ギターウルフ
久々に見たよギターウルフ。
もう、登場からギターウルフ。
最後までギターウルフ。

爆音すぎて良く分からん楽曲。
曲始まった途端にカオス。
何を歌ってるのか、リズムがどうなってるのか、リズムの頭すらよく分からん。
強烈に爆音カオス。観客大モッシュ。すべてが混沌。

だけどさ。
なぜかさ。
サイコーだった! 興奮した!
「愛」ってヤツを、感じてしまった私は間違ってるだろか。

・・・
なんだか仕込まなきゃいけないこと満載の忙しい最中。
無理してでも言った甲斐のあったこの「DUM-DUM PARTY2014」

つくづく、音楽ってやっぱサイコーだね。
音ってその場にいかないと聞けないんだよな。
昨日は生きてる音を沢山浴びた。
そして。
沢山のパワーと愛をもらったよ。

よし!
オイラも飛ばしていくぜい!

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2014年04月23日

先週、ウェイン・ショーター・カルテットを観てきた。
とんでもなく素晴らしいライブであった。

昨年も、ウェイン・ショーターを観た。
(昨年のレビューはコチラ→http://p.tl/jtvT
その時は、いつものカルテットのドラムだけが違うメンバーで。
それでも、とんでもなく素晴らしいライブではあったんだが。
これが、4人ともオリジナルのメンバーであったら、どんな凄いことが起きたいんだろうか、という思いはあった。

そして、今回。
ウェイン・ショーター・カルテットのメンバーが4人とも揃っての来日となった。
ウェイン・ショーター(サックス)
ダニロ・ペレス(ピアノ) ジョン・パティトゥッチ(ベース) ブライアン・ブレイド(ドラム)

もう10年以上同じ4人でライブをやり続けてる。
あ・うんの呼吸をも超えた、孤高の4人組だ。
して、その4人が揃うと、はたしてどんなスゴイことが起きてしまうのか。
期待に胸をふくらましていた。

さて。
実際に4人がステージに上がり、おごそかにライブがはじまると。
これが、4にともびっくりするくらいシンプルな音しか出さない。
そして、以前見たときより、格段に音数も少ない。

メンバー全員、そりゃもう手練ればかりであり。
やろうと思えば、テクニック的にも、もっともっと色んな事できるはず。
語彙力は沢山あり、難しい言葉も沢山知ってるはず。
でも、チョイスするのは、誰にでも分かるような自然で単純で分かりやすい音ばかり。

ただ。
そのシンプルな音の説得力が、半端ではない。
その物語に必要な音。
その時に一番必然な音。
それでいて。
決して過去の音を追わず、今まさに生まれる音をだす。
もっとも「今」な音を、至極同然のように、パッと音にするのだ。

今のウェインショーターのバンドは、この音以上の音はいらない。
必要のない音はない。
必然な音しかない。
それでいて、この先何が起きるかさっぱり読めぬ、緊張感。

まるで、子供が書いた絵。
子供が喋る言葉。子供が出す音。
そんな単純な音を奏でながら、4人は楽しんで物語を進めていく。

にもかかかわらず。
音に宿る生命力は凄まじく。
強く、優しく、優雅。
音が交わる迫力、躍動感。

ピーンと張りつめた緊張感と、無邪気さと、優しい包容力とか混在する独特の空気感の中。
その音で描かれた絵は、なんとも色鮮やかで、とてつもなく壮大であった。

そして。
ウェインは、最後の最後。
必然の先にある音を、体内からひりだす瞬間があった。
今描いてる絵の外にあるかのような音。
とても遠い音を出す。
なんて遥かな音をだすんだろか。

まるで、人物画の最後に、目を描くかのように。
その音で、一気に絵に生命が宿った。
今日という日の完結。
今日という日の完成だ。

なんだか、信じられない音楽を聴いた気がする。
こんな音楽が世の中に生まれるのだろうか。
教会にいるような、真っ白な気持ちになった。
ただ純粋に音につつまれ、あまりの美しさに涙した。

80歳にして、なお今を生きるウェイン・ショーター。
同じ時代に生まれ彼の生きる音を聴けること、なんとも贅沢で、なんて素晴らしいことであろうか。
まだ、これからもさらに素晴らしい音を出し続けて欲しい。

 

 

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2014年02月18日

先日。
新木場スタジオコーストにて「Hostess Club Weekender」なるイベントに行ってきた。
そこで、久々に待望のMOGWAIのライブを体感した。

モグワイ、果たしていつから好きになったのか。
あの轟音サウンドを浴びると癖になるんだ。あの快感は忘れられない。

バンドマンの私にしては珍しく、メンバーがどんな風に演奏してるかとかに、あまり興味の無く。
完全に「人」より「音」重視。客席の後ろの方で、ひたすらヤバい音を浴びたいバンドだったりする。
しかし、なんとなく今回は前で観たくなった。
切り込んでみたら、なんと、5列目。
満を持してモグワイ登場。目の前にメンバーが現れる。
こんなに愛してやまないバンドなのに、初めて、モグワイが5人のバンドだったことを知ったよ。

1曲目がニューアルバムの1曲目。
モグワイの世界観に入り込む為の序章。
しかし、2曲目「Rano Pano」でいきなりフルスロットル。
段々と重なる爆音トリプルギター。
さらにベースとドラムが加わり、5人の音になった瞬間の音圧が最高すぎる。
ノイズ重戦車のようなこの曲で、一気に完全にアッチに持ってかれた。
そう、これがモグワイだ、この快感だ。ただただ音を浴びるんだ。

そこから先、ライブはひたすら素晴らしかった。
荘厳だが情緒あるまるで映画を見てるかのようなメロディーと、滝のように浴びせかけるノイズギターが混ざり合う。
その轟音ノイズに何かが見えてくる。

例えるなら、デヴィッドリンチの映画のような。
リンチの映画に出てくる「真っ暗」、リンチブラック。
あの暗闇に何かが見えてくる瞬間がある。
突然あの暗闇が怖くなる。
突然あの暗闇にエロスを感じる。

モグワイの音は、そんな感覚に似てる。

メロディとリズムが、リズムもメロディーもない轟音ノイズに包まれていくと。
まず、パンクのような尖った感覚になり。
五感が麻痺し。
景色がスローモーションで動きだし。
完全に音に包まれ。
ノイズが真っ白になり、遠くにいるメロディーが得も知れぬ美しさを放ちだす。

絵の中にいるような感覚になり。
音のその先にある感覚に触れる。
この甘美な音に触れてしまったら、もう離れることはできない。

ライブ後半の畳み掛けるクライマックスから、怒涛のアンコール3曲。
パンクで甘美な音を出し続けたモグワイのステージは、実に堂々と終了した。

圧巻だった。
感無量だ。
本当に観に行ってよかった。
CDじゃ、この感覚は味わえない。
モグワイのCDってのは、ライブで味わったこの感覚を思い出すための道具にしか過ぎないとさえ思う。

私の一番好きな曲をやらなかったのが、心残りではある。
しかし、もう一度モグワイを見に行く理由ができた、とも言える。
すでに、次回のモグワイライブが待ち遠しい。
あの音。

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2013年11月20日

ポールマッカートニーのライブに行ってきたよ。

実は、あまりビートルズをちゃんと聞いてない私。
何故か、ビートルズにハマらないままここできちゃったんだよね。
でも、友人に、もう見れないかもしれないから絶対見に行った方がイイと背中を押され。
たいした予備知識もないまま、フワーっと見に行ったんだが。

これが、物凄く良いライブだったよ。
71歳とは思えぬポールのパフォーマンスは、とても素晴らしく。
自ら楽器を演奏するだけあり、小編成でのバンドサウンドによるガチなライブセットで。
長年やってるバンドとの相性も良く。
音楽の底力をしっかり味わえ、勇気と感動をたっぷり貰えるステージだったよ。

とはいえ、ここだけの話。
世代でもなければ、ちゃんと聞きこんでもいない私からみると。
ビートルズって、バッハとかダ・ビンチとか信長とか、歴史上の人物みたいな印象なんだよね。
だから、ビートルズの人が現役で曲を演奏してるってのが、なかなか信じられなくてさ。

レディマドンナやオブラディオブラダを聞いて、
あれ、もしやこの人本当にビートルズなのかも。
レットイットビー聞いて、
あー、こりゃいよいよビートルズに違いない!
とか思ってしまったよ…。

 

あー。
何万人もの観客を前に、ひっそりと一人で弾き語りしたブラックバード。
シビレタな。

圧巻のポールマッカートニー。
おかげでビートルズを体感できちゃったよ。
最高な音をありがとう!

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2013年09月17日

突然、かなりアッパーな報告!

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのドラマー、チャド・スミスのバンドの日本版CDのライナーノーツを、
な、な、なんと、私が書いてしまったのだ!

ちょっとスゴイよね。
そんな文章書いたことないのに、レッチリ愛、チャド愛を全開にし、なんとか最後まで書き切ったよ。

チャドのインストジャムバンドのライブアルバム
「チャド・スミス・アンド・ザ・ボンバスティック・ミートバッツ/ライブ・ミート・アンド・ポテイトーズ」

すでに2009年に発売されてるアルバムが、今回日本版で発売されることになり。
そのライナーノーツを、妙な縁で私が書くことになってしまったのだ。

いやはや大変だったが、こんな形でもチャドに対して自分が役立つ仕事ができるというのは、とても光栄!
たっぷり6ページ、私の文章が載っておるよ!

実際、苦労して書いた文章が、ちゃーんと活字になって出来上がってるのを見ると。
かなり感動!しみじみに嬉しい!

 
このアルバムの発売日は明日、9月18日。
昔はさ、CDをレコード屋で買ってきて、おもむろに家のステレオでCDをかけ、ライナーノーツを読む。
ってのが、音楽を楽しむ一つの所作だった。

チャドのゴキゲンなライブアルバム(しかも2枚組!)を聴きながら、
不肖私の文章を、ニヤニヤしながら読んでくれたりしたら、とても嬉しい!

http://www.amazon.co.jp/Live-Potatoes-SMITH%E2%80%99S-BOMBASTIC-MEATBATS/dp/B00DSFML4W/ref=wl_it_dp_o_pC_nS_nC?ie=UTF8&colid=1M82ZL7XJ8MRU&coliid=I32Q9B44NYBPVT

ライナーノーツは日本版の方にしか入ってないから、気を付けて!

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2013年08月16日

Living Colourのライブを見に行ってきた。

何年ぶりだろうか。多分、15年くらい前だ。

彼らが3rdアルバムを出したツアー。クラブチッタ3Daysを全部見に行った。
その後、彼らは一旦解散し、再結成後もなかなか来日せず。
数年前に、やっと来日ツアーが組まれたがすんでの所で中止。
待ちに待った、いや、もう諦めかけていた彼らのライブを、もう一度見ることができた。

リビングカラーは、私の中で特別なバンドなんだ。
音楽の歴史の中で彼らがどんだけ注目されているのかは、分からない。
世界にどんな影響を与えたかも、分からない。
でも、私にとっては特別で、別格なんだ。

青春時代、自分の音楽を探し、色んな音楽を訳も分からず貪り聞いてる時。
突然、私の前に現れ、意味が全く分からぬままガツンと衝撃を受け、「コレだ」って思ったんだ。
黒人なのに、ファンクでもソウルでもなく、ロックなバンドであったリビングカラー。
時代の縁とでも言うか。
私の青春時代に、今を生きている強烈にヤバいバンドとして、彼らは私の心に飛び込んできた。
彼らは、ロックでファンクでパンクで。
兎に角「興奮」する音をだしていた。

そして。
今でも、私のアイデンティティの一番奥底に熱い塊としてリビングカラーは潜んでいる。

さて。
そんな満を持して彼らのライブ。
ゆったりとした私の知らない曲が一曲目。
さすがに、年をとった貫禄か、ライブはどっしりと渋くスタートした。
しかし、二曲目、いきなり代表曲「Cult Of Personality」、そして「I Want To Know」
さらに、四曲目に「Middle Man」と猛ラッシュ。
そんな初期のホットな曲ばかり畳み掛けちゃっていいの?って思いつつ、
「いや?待てよ?まさか??」と、徐々に感づいたよ。
これは、1stアルバムの曲順ではないか、と。

彼らは結成25周年を記念し、1stアルバムを一曲目から順番に演奏してたのだ。
特に初期のリビングカラ―を愛してやまなかった私は、気付くやいなやさらに大興奮。

私が最も好きな曲「Funny Vibe」あたりから、バンドもヒートアップしだし。
往年のあの得も知れぬパワーを持ったバンドの空気を出し始めた。
ラストの「Which Way To America」で、完全にアッチの世界へ昇天。
気合十分な時期のリビングカラ―が持っていたロックでパンクでブラックでエグくてヤバいオーラを、バンッバンに放っていた。
そして、私は15年前に見たライブの時の空気を、もう一度体感できたんだ。

久々に音楽で感動した。
ロックなテンションで、ガンガンに熱いライブをやってる彼らを観て、なんだか泣きそうになった。
なんだろう、あの感覚は。
自分の中で、音楽をやる上で絶対忘れちゃいけないものに触れたからかもしれない。
それは、きっと「興奮」。
どんなに良いグルーヴでも、どんなに素晴らしいメロディーでも、そこに興奮がないと、私の心には飛び込んでこない。
彼らの音楽には「興奮」があるんだ。
そこにグッとくる。

これからも、グッとくる音楽を聴き続けたいし、私自身、グッとくる音を出し続けたいって誓う。
そんな初心にかえる、素晴らしい一夜であったよ。

 

なんと、リビングカラーのドラム、ウィル・カルホーンが一緒に写真とってくれたのさ!!

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2013年06月04日

FISHBONEのライブに行ってきた。

もう、ダメだ。興奮しすぎて、冷静な判断はできん。
最強のセットリストだった。

青春時代に聞いていた曲を聴きに行くんだ…なんてノスタルジーに浸ってるヒマなんかない。
彼らは想像を遥かに超える現役だった。

高速な曲はとことん高速。
ヘビーな曲はとことんヘビー。

もうここがMAXじゃねーかってとこから、さらに上へ上へ上へ!
とにかく悪い奴らが、極限までヤバいパフォーマンスを2時間半。
ラストの超高速サンレスサタデイ、シビレまくった。
もう骨抜きだよ。

フィッシュボーンは、最強極悪のライブバンドだ!

フィッシュ―ボーンの良さが分からん奴とは、私はバンド組みません!

 

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2013年06月01日

クラムボンのライブに行ってきたよ。

東京グローブ座にて。
クラムボンが、毎日違うフェイバリットバンドをゲストに招いての2マンライブを4日間やるという。
相変わらず、一所に留まらず、新しい事に絶えずチャレンジし続けてるクラムボン。
というわけで、ゲストがリトルクリーチャーズである3日目に参戦してきたんだが。

もうさ。
クラムボンが良いのは、言わずもがな。
っていうより、わざわざ皆に良さを言いたくないんだよなぁ。
自分だけの楽しみにこっそりとっておきたい気分になってしまう。
ファンって、そんなもんさ。
自分だけの隠れ家的な行きつけの飲み屋の如く、充実&納得&安心&興奮なライブであったよ。

さて。
そんなクラムボンに対する、リトルクリーチャーズなんだけど。
スイマセン…舐めてました…。
無っ茶苦っ茶カッコいい~!めっちゃシビレタ~!

とーってもお洒落なのに、実に男臭い。
技巧的なとこいっぱいあるのに、とてもロック。
トランスに踊れるのに、超骨太。
この凄みは一体なんなんだろ。
まさか、男の色気ってヤツなのか?

リトルクリーチャーズの得も言われぬエモな凄みに、すーっかり魅了されてしまった私は。
思わず、クラムボンの新譜ではなくクリーチャーズのCDを買って帰ってきてしまったよ。

クラムボンvsリトルクリーチャーズのトリオ対決。
トリオって何かが足りない。
でもその足りなさにフリーダムがある。
トリオバンドでしか味わえない堪らぬ興奮と面白さがあるんだよな。
いや~いい日であった。

 

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2013年03月27日

先日、ウェインショーターのライブを見に行ってきた。
アートブレイキー、マイルスデイビス、ウェザーリポート、綺羅星のごとく物凄いキャリアを歩んできたジャズ界の御大サックス奏者。

今年、80歳と。
しかし、ライブが始まって音をだすと、これが凄い。
音が全然枯れてない。
ツヤッツヤな音を出してる。
そして。
音に全く迷いがない。
まるで大木から仏像を彫りだすかのように、はるか昔からその音が存在したかのように必然の音を出す。

80歳にして、この現役感。
千利休がジャズミュージシャンだったら、こんな粋な音を出すかもしてない。
侘び寂びを極限まで知り尽くした人の、命を懸けた音だ。
音数こそ少ないものの、そこには意味のある音しかなく。
しかも、音には色や質感までもが帯びており。
過去には全くとらわれず、まさに今を生きてる人にしか出せない「生」をたっぷりと感じる。

さて。
今回来日したのは、ウェインショーターカルテットという 2001年より始めたバンドであった。
本来、このバンドではブライアンブレイドがドラムを叩いおるのだが、実は、来日公演ではドラムだけメンバーが違っていた。

なので、ライブ始まってから。
メンバー個々の凄味こそ感じるものの。
バンドの歯車がどうもかみ合わない。

10年以上よりそった家族のようなメンバーには、もう誰にもわからぬ共通言語のようなものが存在しておる。
まるで、長年連れ添った夫婦が、顎ひとつ動かしただけでお茶の時間を伝える的、
なんでそんな仕草で、意志が通じるんだ?と思える「あ、うん」の呼吸。
その呼吸ばっかりは、どんな手練れのミュージシャンでも、どんな勘の鋭い人でも理解することはできない。

決してドラマーが悪いわけではない。
なんなら、とても素晴らしいプレイをしていたのだが。
レッチリのチャドの変わりにどんなスーパードラマーが入ろうとも、 レッチリにならないのと一緒だ。
なかなかウェインショーターカルテット的バンドの呼吸にならない。

それはそれで、本当に素晴らしく上質の音楽を奏でてるが。
ここでもし本家のドラマー「ブライアンブレイド」 が叩いてたら、一体どんな事が起きるんだろ。
と、ついつい感じてしまう瞬間が何度かあった。

しかし。
ライブ後半。
突然ウェインショーターが動いた。
勿論それまでも、ずっと素晴らしい音を出していたショーターなのだが。
空気が変わった。
別に、大きな動きを見せた訳じゃないし、何かしたわけじゃないんだが。
「咆哮」のようなものを一瞬感じた。
グググとみるみる気を充実させているのが、伝わる。

そして、ハッと気を放った。

満ち満ちた気で放った音は、ちょっと言葉にはできないくらいの凄まじさであった。
まるで生命の誕生。「新しい音が生まれる」瞬間だった。

バンドの歯車が一気にまわりだした。
薪をくべた機関車が一気に走り出すが如き猛進力。
ブッタが覚醒するかの如き煌びやかさで、音がキラキラと光りだした。

時間の感覚が無くなり、長い時間だったのか短い時間だったのかも分からない。

ピアノ、ベース、ピアノ、サックスの4人の音がすーっと一つの音になった。
それぞれの音がそれぞれの色を描き出し、一枚の壮大な大絵画がみるみる完成していく。

この音は、至福の音であった。
この音を体感できたことに、心から感謝した。

この瞬間の音と色と空気、私は一生忘れないであろう。

 

ウィズアウト・ア・ネット

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