ブログ「ヒデヲの間」
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「アイアンフィスト」 オオニシヒデヲのザ・レビュー その17
2014年11月07日

眠たい顔のヒップホッパーRZAが脚本&監督&主演した、王道カンフー映画「アイアンフィスト」

映画には、人生を大きく変える映画、見ても人生が全く変わらない映画と二つあるが。
この映画は、言わずもがなの後者。
ブルースリー、ジャッキーチェンなどなど古き良きカンフー映画を愛する人にしか響かない、超ミニマムターゲットムービー。

映画冒頭から、カンフー映画愛マックス。
まるで、ゴールデンハーベストやショウブラザーズのカンフー映画がリバイバル上映されたと錯覚するこだわり。
しかし、流れる音楽が「イエーチェックワンツー」的ヒップホップ。
これが意外や意外、ヒップホップとカンフー映画、なかなかに相性が良し。

さて。
映画の内容たるや、もう、あたまっからバカです。
カンフーバカってより、カンフー映画バカ。

昔のカンフー映画には、〇〇拳とかって謎の拳法がよくでてきたもんだが。
この映画のネーミングセンスもなかなか秀逸。
キャラの名前も技の名前も、非常にIQが低くてとても好感が持てるよ。
タイトルにもなってる鉄の握りこぶし・アイアンフィスト。
ジャックナイフ、ブラスボディー、マダムブロッサム。
ブロンズライオン、シルバーライオン。
全身の甲冑から棘が飛び出す「X刀」なんて、もうステキすぎ。
棘を仕舞ってる時、本人の体全身に刺さってる気がするんだが…。

ついでに、私の中ではさ。
卑怯極まりない 「毒」を使う拳法が出てくると、非常に興奮したものだが。
この映画でもしっかり出てきます「毒」
その名も、ポイズン・ダガー。
いや~バカだね!

さらには。
ラッセルクロウ、ルーシーリュウまで呼んで、やりたい放題。
タイトルロールや終劇の恩着せがましいタイミングも抜群。
何故か体が細長く写る登場のカンフー映画のエンドロールすら再現。
しまいにゃ、
当時のおバカカンフー映画の最高峰「少林寺三十六房」の主人公、リュー・チャーフィーの登場に興奮マックスだ!

カンフー映画好きの為だけに作った、自分だけのカンフー映画。
ある意味、うらやましい。

ちなみに。
ロゴの色やフォントのチョイスからして、クエンティン・タランティーノ風味がチラホラ。
さらには、パムグリアーまで出てるんだが。
調べてみたら、この映画がタランティーノプレゼンツであった。

タランティーノもなかなかのカンフー映画バカだが。
RZA、こいつもスゴい。硬派にスゴイ。
しかも、タランティーノみたいに洒落てない、直球勝負な少年ジャンプ的カンフーバカ。
その精神は、魁!男塾。
もしかしたら。
「オレの方がカンフー映画に詳しいぜ!」という、RZAからタランティーノに向けての挑戦状なのかもしれんな。

あ、そうそう。
ところで。
RZAって誰?

 

映画「アイアンフィスト」
点数:53点
勘所:未だに美人なのかどうか分からぬルーシーリュー
教訓:愛のバカ、バカの愛

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