ブログ「ヒデヲの間」
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「気狂いピエロの決闘」 オオニシヒデヲのザ・レビュー その12
2013年08月09日

ゴヤ賞なんて気が利いたタイトルの賞があるのね、と興味を持ってさ。
ゴヤ賞をとったスペイン映画ってのを何となく見てみたんだが。

気狂いピエロの決闘…これは、やられた!
全然ストーリーが読めない!何なんだこれは??
こんだけ先が読めない映画は久々だ。

しかもだ。
詩的なフランス映画や感覚的なデビィットリンチ映画のような難解さとかじゃなくてさ。
ホラーアクションな超ハイテンション映画である事が凄い。

間に何か意味を持たせたり、情緒ある映像に感情を乗せたりとか全くしない。
とにかく猛烈な勢いで映画は展開する。
え?なんでそーなるの?と考える暇も与えない。

こんだけハイテンションで、ストーリーが全く読めないってのは、かなりグッと来る。
見てるこっちは、途中からグラグラとラリってくる。
誰にも感情移入できないし。
何がなんだか、どうしたいのか。
意味分からなすぎて、つい笑ってしまうくらいだ。

終盤。
アクション映画にありがちな「高い建物での敵味方&美女による緊迫クライマックス」を、ちゃんと用意してくれてるんだけど。
なんせ映画は、全く起承転結ではなく、起転転転転転転…だからさ。
果たして主人公は無事ヒロインを助け敵を倒せるのか?みたいな王道ストーリーが既に破綻な状態でありまして。

泣きピエロと笑いピエロと美女の三人が意味も分からず高いところで揉めに揉め。
全く意味のない無駄死にまでプラスされ。
結局全く何も解決しないさっぱりなカオス終結に、もう拍手さえ贈りたい。

いや~面白かった。
泣きピエロvs笑いピエロの不条理ハイテンションホラーアクションムービー。
こんな意味不明映画なのにさ、オープニング映像は無茶苦茶カッコ良くて、キマりにキマってんだよな。
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督、なかなかやるのう!
そしてスペイン、なかなかやるのう!

これはまさにゴヤ賞だ!

 

映画「気狂いピエロの決闘」
点数:85点
勘所:顔面破壊対決
教訓:ピエロには泣きと笑いの2種類があるらしい

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