クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」を映画館で観る贅沢。
しかも、IMAXシアターでどっぷりと。
テレビで見ると設定の難解さをひも解くので精いっぱい。
しかし、映画館で観ると、設定は歓喜なファンタジーの扉を開くための装置にしか過ぎない。
いつの間にか、そっちの世界に入り、あとは、フワフワと気持ち良くその中で楽しんでればよいのだ。
「夢の中に入る」、「夢を作る」、「夢を奪う」、これってそのまま映画の醍醐味だよな。
初の映画館ノーランがインセプションだったのは、とても興奮。
街がグリ~ンとなる時、おしりがムズムズしたよ。
あの快感は映画館でなきゃ味わえないね。
そして、この期に及んで気づいた情けない私だが。
あの変装名人、トム・ハーディーだったのね!
まさか、あの面白空気を出してる男がマッドマックスだったとは盲点であった。
さて。
そんな大興奮のインセプション。
一つ私的大誤算。
つい最近家でみた映画が「シャッターアイランド」
亡くなった妻のトラウマに悩むデカプリオが主人公の映画。
そして今回の「インセプション」
亡くなった妻のトラウマに悩むデカプリオが主人公の映画。
何故に、この二つの映画を連続で見てしまったのか。
痛烈なタイミングに運命さえ感じる私的混乱タイム。
妻のトラウマを演じさせたら世界一、デカプリオ。
私は、やむなく今後も注目していくよ。
映画「インセプション」
点数:91点
勘所:まわるまわる四時台はまわる
教訓:夢の見過ぎに注意!
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スターウォーズの最新作「フォースの覚醒」。
公開終了前ギリギリに、なんとか劇場で鑑賞。
ファンの期待してたものと、ちょっと落差があったエピソード1・2・3。
「俺らのスターウォーズはこーじゃねーんだよ!」って思いを一心に受け、J.J.エイブラムスが恐る恐るに立ち上がる。
そーとなったらここは一つ、トコトン見せましょう「みんなの見たいスターウォーズ」
スターウォーズの世界観を壊さぬよう壊さぬよう、慎重に慎重に、丁寧に丁寧に。
迷った時は第一作を見直して、誠心誠意作られたスターウォーズ・エピソード7。
・やたら古くさい街並み。
・こんなにできる船だったっけ?ファルコン号大活躍。
・30年で全く進化しなかったXウィングと敵機。
・ちゃんとハコバンもいる宇宙酒場。
・何故通じるか分からぬチューバッカとの会話も健在。
・ファルコン号のチェス、無意味にスイッチオン。
・砂漠ショットもサービス。
・先輩R2D2&C3POを上手に立てて、出すぎず控えめすぎず絶妙な塩梅の新ドロイド。
・凄く高いとこでの重要な会話。
・フォースは覚醒します。
・ぎりぎり、デススターではない。
・ここは絶対はずせない!真打登場、ハンソロ、レイア、ルーク孤高の3人衆。
ここまで至れり尽くせりされると、ちょっと気恥ずかしい。
ファンの期待に真っ向勝負で答えた、スターウォーズ4の上質なカバーアルバム的ムービーであります。
映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」
点数:66点
勘所:名前が分かりにくい、レイとレン
教訓:エピソード4参照
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「オーブラザー」のように猛烈に好きな映画はあるものの、コーエン兄弟の映画とはあまり相性が良くない私。
しかーし。
2008年のコーエン兄弟制作&監督映画「バーンアフターリービング」は、コーエン相性の悪さを吹っとばし、かなり笑った!
っ無茶苦茶しょーもない話。ほんっとにバカコメディーだ!
コーエン映画は、妙なインテリジェンスが醸し出てしまうせいで、勝手に深読みして勝手に疲れちゃうのかもな。
この映画も、冒頭の航空写真的映像からのクローズアップなんて、なかなかにカッコ良い。
だからつい、IQ高い映画だとおもって身構えてしまうとこはある。
でも今回は、うまくいなして、肩の力抜いてリラックスして見ることに成功。
テンション高いまま、バカ笑いしてるうちに、一気にエンディングまで駆け抜けたよ。
ある意味何も心に残らない、小気味良い潔し爽快ムービー。
93分って時間もちょうど良い!
癖ありすぎる役者陣の中で、ダントツナンバー1バカは、ブラッド・ピットだ!!
サイコー過ぎる筋肉バカ。
水の飲み方、音楽のノリ方、ランニングマシーンの乗り方…などなど。
何がどうって訳でもないのに、所作が一々笑える。
今まで見たブラッド・ピットの中で、一番好きだ!
このブラッド・ピットを見れただけでこの映画を見た甲斐がある。
必見ピット!
映画「バーン・アフター・リーディング」
点数:58点
勘所:急に愛おしくなるブラッド・ピット。
教訓:バカは死ななきゃ直らない。
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1987年、鳴り物入りで公開された力業SFアクションムービー、シュワちゃん編。
ガキの頃の私は、やたらとカッコ良いCMに騙され、胸を踊らせて見たら完全に肩透かし。
そのちゃっちさに超落胆し、「二度と見まい」と心に誓った。
しかし、妙な気の迷いからか、その誓いを解き、つい今さら鑑賞してしまった。
しかし!これが、今見ると、なかなかに面白い!
一周まわるってこのことを言うのかね。
このちゃっちさが逆にサイコーな、なんともおバカハイテンションムービーに、つい爆笑してしまった。
犯罪者がランニグマンとなり、無敵なストーカー軍団から逃げ切ったら自由になれる。
ただし、負け=死。
という過激すぎるテレビ番組が高視聴率をあげてるという設定。
このストーカー軍団がバカ過ぎでステキ過ぎ。
刃付きのアイススケーター、チェーンソー使いのバイク乗り、デコトラみてーな電飾車を乗り回す電気使い、空飛ぶ火炎放射機使い。もう、その世界観はキン肉マンに匹敵するバカさ加減。
いい大人が会議して作った映画とは思えぬIQの低さである。
参戦を断ったストーカー・キャプテンフリーダムがチラッと見せる衣装が、またさらにヤバい。
ロボコップとロボコンの間の子のような弱々しすぎる衣装は、逆にどう活躍するか見たかったな。
他にも逆見所満載!
○邦題バトルランナー、原題ランニグマン、どちらもとてもダサい。
○色んな意味で寒々しいジャージ&全身タイツみたいな衣装。
○兎に角すぐ騙される、チョロいシュワちゃん。
○やたら物々しい、でもまったく無意味なスタートの装置。
○シュワちゃんの役、ベンリチャーズって名前もそこはかとなくダサい。
○すぐやられる弱い敵。
○高視聴率なテレビ番組が全然面白そうに思えない。
○そんなに走らない。
○山道を登れず転がる電飾カー。
○電気男ダイナモ、パンツいっちょの情けなすぎる死に様。
○無意味甚だしい!ヒロインとシュワちゃんのキスエンディング。
ある意味同じテーマとも言える「デスレース2000」には、妙なカタルシスと映画愛があった。
だか、こちとらバトルランナーはそうはいかず。
バカまっしぐら、フリスキーモンプチトンチキ映画であったよ。
ある意味必見!
今、ちょうど面白い!
映画「バトルランナー」
点数:30点
勘所:今、一周まわってきてるシュワちゃーんムービー
教訓:正義は勝ってるのかな?
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久々に見た、少林寺!
ジェット・リーがまだリー・リンチェイだった時代の黄金カンフー映画だ。
やっぱいいね~。素晴らしいね~!
この少林寺って映画は、いわゆるカンフー映画の中で、何故かちょっと格が上な印象があるんだよな。
鋼のような強さではなく、バネのような体のしなやかさ。
それが、カッコイイを通り越して美しくさえ見えるからかもな。
特に、修行シーンが格別に美しい。
なんならラストのバトルシーンより、修行シーンの方がクライマックス。
戦闘じゃなく舞踊に見えてしまうこの少林寺、これ絶品なり。
まぁしかし。
実際今見ると、かなり下らない話だったりもする。
なんなら、「?」となる展開も多い。
・え?犬食べちゃうの?
・かえる食べちゃうの?
・羊も殺しちゃうの?
・出てったはずのジェットリーが、いつまでたっても寺にいる。
・自衛の為の拳法にしちゃ、攻撃的過ぎる武器。
・でも実際使えるのか?ロープの先に矢尻のついてるヤツ。
・ちっとも戒律を守ってない。
・将軍の城が弱い。
・獣神サンダーライガーのような将軍の布製な鎧。
・結構人死ぬ。
そんな「?」演出満載なのに、何故か崇高な匂いのするパワフルカンフー映画・少林寺。
「しゃおりーん、しゃおりーん♪」って歌詞が頭にこびりついて離れない。
プロジェクトAと並ぶ、主題歌が脳内グルグルと残る映画シリーズ。
何故か、5年に一回くらいの周期で見たくなるよ。
映画 「少林寺」
点数:72点
勘所:床のくぼみ
教訓:戒律は変えちゃえ
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ブライアン・デ・パルマが1976年に放ったゴシックホラー映画「キャリー」
いわゆる、いじめられっ子の復讐超能力モノ。
今みるとそんなに怖くないし、そんなにショッキングでもしない。
ただ、猛烈に不気味である。
最近のホラー映画は、ショッキング映画なんだろな。
昔のホラーは、とっても不気味。
不気味には理由がないから、かえってじわじわ怖い。
思わずうっとりしてしまうこの映像美は、さすがのブライアン・デ・パルマ。
イタいし危なっかしいキャリーが、段々と綺麗になっていく。
もう、そのまま少女の成長青春ムービーでいいのでは?って思ってしまうこの丁寧な描写。
甘く切ない。だのに、何故かなんだかエロティック。
冒頭のシャワーシーンから、ほんのりインモラル。
どっしりと重厚なのに、まとわりつく甘美さがある。
まぁ。
それだけに、後のアレのエグさがキレッキレに光るわけだが…。
さて。
強烈に印象に残るのは、キャリーの母である。
何の宗教だかは分からぬが、とにかく厳格な信仰心をもつ。
恋愛、性行為は勿論厳禁。生理すら神の怒りだと怒る母。
ある意味、この母親の問答無用さが一番怖い。
ちなみに。
何気にジョン・トラボルタも出演してる。
しょうもない女に(口で)ちょっとイイ事をしてもらっただけで、
キャリーに対する最悪に下劣なイタズラを、自らの手で実行してしまう超ノータリン役。
とてつもなくポイント低いジョン・トラボルタが見れるというのも、この映画のポイントだな。
映画「キャリー(1976)」
点数:89点
勘所:いけーっ!キャリー!
教訓:いじめは良くない
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2014年に突然公開された、リメイクされたロボコップ。
あらら、新ロボコップつまんねぇーぞ!
いきなり、出だしの掴みが悪すぎる。
最初の2分を見ただけで、映画に対する不信感でいっぱい。
果たしてこの映画は大丈夫だろうか。
みんな話してばっかりのやたらダラダラした進みの1時間。
頼む、早くロボになってくれ!いいから、早くバカスカ暴れてくれ!
満をじしてロボ化されると、何故かジャッジドレッドばりに黒い。
しかも、異常に動きが速い。
黒くて動きが速いから、はっきり言って、よく見えない。
なんなんだ?って思ってる間に、映画は何の山もない山場をツルっと通り越し。
妙に堂々としたサミュエルLジャクソンの〆の挨拶で、映画が終わる。。。
うーん。つくづく。
ポールヴァーホーベンが作った旧ロボコップは凄かった。
悪趣味、過剰、B級、が絶妙なバランスで融合し。
時代とのピンポイントタイミングからまさかのA級映画になってしまっていた。
ロボになるきっかけの瀕死の重症をおう描写のスプラッターっぷり。
溶ける人。見たくなかったロボの素顔。ベビーフードが主食。
カウボーイばりに銃をまわす無駄な御愛嬌。
そんなB級臭たっぷりの悪趣味映画にもかかわらず、
ロボなのか、人間なのか?的カタルシスの中、
何故か妙に感動してしまうラッキーパンチA級ムービー「旧ロボコップ」。
なにはともあれ、さ。
とにかく重たそうだった重量級の旧ロボコップがなんともステキだったのに。
大ジャンプまでしてしまう迅速すぎる新ロボコップは、どうにも興ざめであったよ。
どこに勝算があってリメイクしたんだろね。
映画「ロボコップ(2014)」
点数:7点
勘所:旧作の良さを引き立たせる演出力
教訓:もっと練ろう
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眠たい顔のヒップホッパーRZAが脚本&監督&主演した、王道カンフー映画「アイアンフィスト」
映画には、人生を大きく変える映画、見ても人生が全く変わらない映画と二つあるが。
この映画は、言わずもがなの後者。
ブルースリー、ジャッキーチェンなどなど古き良きカンフー映画を愛する人にしか響かない、超ミニマムターゲットムービー。
映画冒頭から、カンフー映画愛マックス。
まるで、ゴールデンハーベストやショウブラザーズのカンフー映画がリバイバル上映されたと錯覚するこだわり。
しかし、流れる音楽が「イエーチェックワンツー」的ヒップホップ。
これが意外や意外、ヒップホップとカンフー映画、なかなかに相性が良し。
さて。
映画の内容たるや、もう、あたまっからバカです。
カンフーバカってより、カンフー映画バカ。
昔のカンフー映画には、〇〇拳とかって謎の拳法がよくでてきたもんだが。
この映画のネーミングセンスもなかなか秀逸。
キャラの名前も技の名前も、非常にIQが低くてとても好感が持てるよ。
タイトルにもなってる鉄の握りこぶし・アイアンフィスト。
ジャックナイフ、ブラスボディー、マダムブロッサム。
ブロンズライオン、シルバーライオン。
全身の甲冑から棘が飛び出す「X刀」なんて、もうステキすぎ。
棘を仕舞ってる時、本人の体全身に刺さってる気がするんだが…。
ついでに、私の中ではさ。
卑怯極まりない 「毒」を使う拳法が出てくると、非常に興奮したものだが。
この映画でもしっかり出てきます「毒」
その名も、ポイズン・ダガー。
いや~バカだね!
さらには。
ラッセルクロウ、ルーシーリュウまで呼んで、やりたい放題。
タイトルロールや終劇の恩着せがましいタイミングも抜群。
何故か体が細長く写る登場のカンフー映画のエンドロールすら再現。
しまいにゃ、
当時のおバカカンフー映画の最高峰「少林寺三十六房」の主人公、リュー・チャーフィーの登場に興奮マックスだ!
カンフー映画好きの為だけに作った、自分だけのカンフー映画。
ある意味、うらやましい。
ちなみに。
ロゴの色やフォントのチョイスからして、クエンティン・タランティーノ風味がチラホラ。
さらには、パムグリアーまで出てるんだが。
調べてみたら、この映画がタランティーノプレゼンツであった。
タランティーノもなかなかのカンフー映画バカだが。
RZA、こいつもスゴい。硬派にスゴイ。
しかも、タランティーノみたいに洒落てない、直球勝負な少年ジャンプ的カンフーバカ。
その精神は、魁!男塾。
もしかしたら。
「オレの方がカンフー映画に詳しいぜ!」という、RZAからタランティーノに向けての挑戦状なのかもしれんな。
あ、そうそう。
ところで。
RZAって誰?
映画「アイアンフィスト」
点数:53点
勘所:未だに美人なのかどうか分からぬルーシーリュー
教訓:愛のバカ、バカの愛
死刑執行人エクスタミネーター。
分かりにくい映画だったよ。
いや、超単純な映画なんだが、なんだかとっても伝わってこない。
時系列が分かりにくい。
登場人物が分かりにくい。
ストーリーが分かりにくい。
何でそうなるかが分かりにくい。
とにかくゴチャゴチャしてる。
つまり、なんとも下手な映画。
こんだけ単純なストーリーなのに、よくぞこんなに伝わってこない演出をできたものである。
〇余計に時系列をややこしくする、無駄に入る回想シーン。
〇感情移入しづらい、ほんのちょっとだけポールマッカートニーに似てる、すっとんきょう&ぬるたい主人公。
〇全く友情が伝わってこない主人公と親友。
〇これみよがしに出てきて全く活躍しない、いやその後出てきもしないサブキャラ。
〇そもそも、そんなに処刑してくれない。
〇親友が入院してる病院の看護婦と担当刑事が付き合ってる偶然。
〇主人公も刑事も、ここぞって時に全然使ってくれない凄い武器。
〇刑事との間に芽生えた、根拠のない信頼。
〇凄く時間をかけ丁寧に細工したものの、目新しいことが起きてる様子のない拳銃の弾。
〇素手で自分の指紋やら血液やらを残しまくる、主人公の敵陣潜入。
〇全く意味を感じられない、スタンゲッツの本人登場。
〇一番強いのが、犬。
〇え?なになに?、完全においてけぼりな、ワンダーエンディング。
ある意味、ボケ見所満載な雰囲気映画。
この無駄ショットの多さ、切れの悪さ。
スピルバーグを見て、ちょっと映画を勉強しなさい。
公開当時、マッドマックスに続く人気だったってホントなんだろか?
映画「エクスタミネーター」
点数:23点
勘所:プチスプラッター
教訓:これを見る時間あったらターミネーター見なさい
アレハンドロ・ホドロフスキー。
「エルトポ」「ホーリーマウンテン」で知られる、危ない監督。
私は、絶対好きな監督だろうと予測しつつ。
ずーっとアンテナにひっかかってたまま、結局、まだ一本も彼の映画を見てなかった。
逆に言えば、無理して見ないようにしていたとでも言うか。
こういう危険な監督の映画は、ファーストコンタクトが大切だから。
「初めて鑑賞する日を大事にしよう」と心に決めてた。
シチュエーションがしっかりそろうその日まで、と。
さて。
「リアエイティーのダンス」は、ホドロフスキーの23年ぶりの新作だとか。
初鑑賞が新作って、悪くないファーストコンタクトかもしれん。
と、映画館に駆け込んだ。
結果。
ホドロフスキー初体験が、新作「リアリティーのダンス」だったこと、しかも、映画館で体感できたことは、
自分にとってはとても贅沢なものであった。
意味とか言葉とか理由とかそんなの通り越して、「何か」がガツーンと伝わってきた。
何がなんだかよく分からない映画だが、最初から最後まで兎に角目が離せなかった。
久々に、映画に狂った。
強烈な色、意味の分からぬ描写、ほとばしるパッション、慈愛。
それに感じるはずのない、風、海、波、匂い、感触。
沢山の「何か」が伝わってきた。
とんでもなく「オリジナル」な映画であった。
いや、もう映画すら通り越してアート、オリジナルアートだ。
完全にオリジナルなものは、解釈が難しい。
そもそも解釈するのは、不可能に近い。
良いとか悪いとか、ためになるとか、歴史が変わるとか、そういうものではない。
オリジナルを図る物差しは無い。
完全にオリジナルなものを前にしたときは、そこには作品と観客が存在するだけだ。
何かが通じあったかどうか。
何かを感じたかどうか。
相性。
好き。
愛情。
感覚。
空気感。
理性とは全く違う尺度でその作品をとらえるしかない。
しかし。
相性の良いオリジナルな映画を見ると。
その映画を観る前と見た後で、いつもの景色が違って見える。
それは、とても心地よいものである。
自ら、商業主義の映画が嫌いというホドロフスキー。
しかし、決してアングラにならず。
とてつもなくハッピーにパワフルに大胆に、
自分の中にあるアートをできるだけ多くの人に見てもらいたいと、純粋に願ってるこの男。
彼の情熱的で真っ白な魂に、しっかり感動したよ。
「リアリティーのダンス」を評することは不可能だ。
だが、私にはとてつもなく面白い大興奮映画であった。
映画「リアリティーのダンス」
点数:0~100点
勘所:何かを感じますか?
教訓:初体験は大切に