少し時間が経ってしまったけど。
エグベルト・ジスモンチのコンサートに行ってきた。
このライブの感想、なかなか難しい。
凄すぎちゃって、音が極上すぎて、言葉で形容するのは不可能。
でも、何か自分のために書き残したくて、つい書いちゃってみる。
いつもだったら、ライブ見に行くと。
たとえ、端くれであっても、
自分も同じ音楽をやってるんだな、同じ舞台にあがってんだな、と勇気を沢山もらってさ。
ムラムラとライブやりたくなるんだよね。
でも、ジスモンチの出す音は、もう私がやってるものとは全然違う芸術に思えて。
書道とか、茶道とか、舞踊とかを体感した感じだったな。
違う脳が、グリングリンに刺激されたよ。
本当は、デュオだったこの公演。
パーカッショニストのナナ・ヴァスコンセロスが公演の1か月前に亡くなり。急遽、追悼ソロコンサートになってしまったんだ。
もっと、しんみりと寂しい公演になるのかと思ったが。
そこにあるのは凛とした音で。
とてもジェントルに、暖かく、しかも喜びに包まれた音で。
・・・悲しいから喜びじゃないはずなのにね。
音が優しく明るいから、喜びに感じちゃう。
まるで教会にいるみたいだったよ。
ステンドグラスから光が差し込む、スーンとした空気の中で。
讃美歌やオルガンの音を聞いてるかのような。
とにかく澄んだ音に、海の中に潜ってるかのようにとろけこんだよ。
追悼ではなく、生命賛歌なコンサートに行った感じだな。
一音一音がキラキラと眩しく輝く、暖かい夜だった。
それにしても。
一人であんな物凄い音楽を構築してしまうジスモンチ。
こんな怪物と対等に渡り合ってしまうナナの音も、きっと凄かったんだろうな。